秋のニューファウンドギャップロードとクリングマンズ・ドーム
公園のほぼ中央で稜線を越え、テネシー州(TN)の「ガトリンバーグ」とノースカロライナ州(NC)の「チェロキー」を結ぶ、約50kmmの道路がニューファウンド・ギャップ Rdです。TN側の「シュガーランド」、NC側の「オコナルフテー」にそれぞれビジターセンターが設置されており、最高峰にアクセスするクリングマンズRdもこの道から分岐しています。まさに公園観光の中心となっている道路です。
私はこの道路を「GSMの麦草峠」と呼んでいました。緩やかな山並みを越える山岳道路であることはもちろん、賑やかな観光地「ガトリンバーグ」と比較的地味な歴史的観光地「チェロキー」が、「蓼科、白樺湖」と「八千穂・小海」に重なったのです。しかし秋に限って言えば「いろは坂」かもしれません。素晴らしく色づいた山々の眺めは絶景ですが、ときに激しい渋滞に嵌まります。
道路には所々駐車スペースや天望デッキなどが設けられており、車を止めてユックリと眺めを楽しむことが出来ます。上の写真はそのひとつである「Webb Overlook」から西側の眺望。画面からは外れていますが、この右側に最高峰クリングマンズ・ドームも望むことができます。
クリングマンズ・ドーム(Clingmans Dome)
公園内最高峰のクリングマンズ・ドームの標高は2,025 mですが、山頂直下まで車でアクセスが可能です。山頂はモミやトウヒなどの針葉樹林に覆われており本来は展望がきかないのですが、巨大な展望台が作られており、そこに登れば360度の展望が得られます。
周囲には立ち枯れた針葉樹が目立ちます。これらはヨーロッパ原産の昆虫”Balsam woolly adelgid”によって壊滅してしまったフレイザー・モミの姿です。さらに今、アメリカツガが中国・日本原産の”hemlock woolly adelgid”による被害を受けているそうです。その生態が免疫を持たない外来種の侵入は、ときにその景観を短期間で激変させることがあります。いずこも同じ問題を抱えているのですね。
ちなみにクリングマンズの名は1850年代に一帯を大規模に探索し、長年発展に貢献した南北戦争将、トーマス・ラニエ・クリングマン(1812年~1897年)にちなみます。